新お坊さんの智恵袋

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野花を慈しむ

新型コロナウイルス対策で外出自粛ムードもあって、法事は高齢の方々を外す、人数を減らす、おときなしの連絡が続いています。おてらに来るのも墓参の数人のみ。「ご朱印に行きたいけど、出るのにも心にブレーキがかかる〜」という方もいらっしゃいます。というわけで広済寺の野花や眺めをご紹介しましょう。

ニラバナです。お墓にいっぱいあります。

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▲アキオさんとこと

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▲きわこさんとこ。自生しています。

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▲タダオおじさんち。ニラバナは素朴で可憐な感じがなんともいえません。

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▲近くの畑の畦道に生えているものが、種で飛んできては増えていくようです。▼

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 ▲らくがきご朱印のリピーターさんにはお馴染みの景色ですね。墓地のだんだんと上がって行くシルエットとお宮さんの朱の屋根と大山のアングルがいいでしょう!ことしのお盆の墨絵はこれにしようかな⋯。候補のひとつです。

本堂の裏にはアイリス。元々、ここは2代前の渓山和尚さまが築山を作庭し、池があったようです。

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ここも箱庭。ミントの真ん中に山椒の木があります。越冬直後なので、ミントよりビービー草など雑草のほうが勝っていますが、ミントがほきれば山椒のまわりを囲い、葉っぱを虫さんに食われそうになるのところを守ってくれるのです。寄ってくる虫はクロアゲハの幼虫。山椒もあちこちにトゲを出し、幼虫も一歩間違えば、ハラキリですから、お互いに真剣勝負です。

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▲虫さんに食われる前に人間さまがいただきます。茹で上がりのおうどんに和えました。おいしかったです。

全部のお墓さんに手を入れてあげたいのですが、雑草を見つけたり、剪定したり移植をしたり、楽しくデザインするのが増えてきてしまうんです。

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 ▲キタエリアの枯れ花回収も終わりました。続きは次回でまっいいか。▼

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▲お彼岸の後半から4月まで寒い日もあったので、例年よりもお花が長持ちしてくれた感じです。灰と焼土は生ごみ堆肥と混ぜて、箱庭に使います。

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ムスカリもキレイ。これも種が飛んできて自然に増えてしまいました。手前のちょうず鉢は以前の庫裏のお便所にあったもの。真ん中は「吾れ唯だ足を知る」の灰皿で、まわりは崎陽軒のシウマイについてくるヒョウちゃん。ふつうならほかすモノをオブジェにするのが私の使命。

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▲広済寺の北口。らくがきご朱印のリピーターさんならば、伊勢原駅からタクシーや歩いてくるのでお馴染みですね。北口守衛のお地蔵さんは江戸開府の頃のお生まれです。その旨彫刻があるので探してみてくださいね!

バックにベルガモットを仕込んであったのですが⋯

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▲だいぶ根瘤していたので間引きし、冬に火燃し場の土を持ってきて施肥をしました。今、表面に芽がないのでちょっと間引きをやり過ぎたようです。広済寺には広範囲にベルガモットが植えてありますが、元々お檀家さんにいただいたのをここで養生し、転移させたものです。ベルガモットは、根を密に張り、草をほとんどはやさないのです。草をひくだけでなく、何かを植えて草を出さない庭づくりのきっかけになりました。広済寺では、もう12年以上、除草剤は一滴も使っていないんです。

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豆腐石の前にあるもみじ。いまは赤ですが、これから黄緑色に変身していきます。

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▲向こうにはたぬきの学校と⋯▼

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▲箱庭の主題でもある「ほとけはみている」がありますよ。素焼きのポットのお地蔵さんを囲む石やかわらけはお供物を表しています。もし東日本大震災クラスの地震津波が次にまた来たら、ひとは神やほとけに祈るだろうか、いやそれとも⋯が作庭のモチベです。ボランティアや慰霊法要で宮城や岩手、福島に行った時の心の動きを表現しました。

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▲イルカ🐬石から望むたぬきの学校。

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▲モチーフにした厚木キャンパスと同じく、遠くに見える丹沢山系が借景になっているんです。

オブジェと往時の校舎群のレイアウトです。iPadのpagesでつくりました。おてらですから、キリストさんのところはほとけさまにしています。

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在学当時、オーラルイングリッシュを受けたC館のLL教室やE館の学食の2Fからの眺めた景色とソックリなのが見られる場所があります。

それは、平成30年から運用が開始された秦野斎場の⋯

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▼2Fラウンジ▼です。出来たばかりの頃、お檀家さんのお見送りでここに入ったとき、妙な既視感がありました。厚木キャンパスからの眺めと酷似していたからです。

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▲椅子はソファでゴージャスですが、これが朱色の硬化プラスチックなら、再現映像にも使えそう。眺めはこんな感じでした。山並みがそうさせるのかもしれません。

ここは厚木でなく、秦野なので、実際には

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▲上のパネルのキャプションのように表丹沢の西部が見えてくることになります。学校と斎場が、既視感とはいえ、眺めで繋がるなんておもしろいと思います。とまれ、ここは斎場。大切な場所です。「どうげんから厚キャンの面影がある場所って聞いたから見学したい」とか興味半分で来ちゃうとかは絶対NGですよ。

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外出自粛モードの日々ですが、広済寺に行った気分になっていただけたら幸いです。お檀家さんでもお仕事柄、海外出張はできないわ、会議やコンベンションは中止されるわ、テレワーク⋯など大変です。無観客試合でやると言っても、舞台にあがる選手とカメラマン、メディア、スタッフで50名ならばすでに濃密となります。おてらもこのまま仏事のキャンセルが続けば経常収支にストップがかかります。識者の先生方の話を聞いていると、収束には1年以上かなと思い、覚悟を決めました。もうクヨクヨは、なしです。それでも、夏のお盆の対応を尋ねても、「それって江戸でのことでしょ。こんな田舎は平気だよ。6月になったら考えようと思う」など、多様性を受け止める時代ゆえの困難も感じます。

ということで、次回以降もおうちに居ながらにして、遊べるネタになります。

こういう時こそ iPadを使うのが〜→どうげん