新お坊さんの智恵袋

どうげんが毎日発信〜きょうの広済寺・住職の予定情報をいちはやく!

8月盆ブログ棚経④

アクセス御礼〜きのうのアクセスは160でした。元々、備忘録がわりなので50もあればいいという感じなので、どうもありがとうございました。

おはようございます😃f:id:dohgen:20200815081609j:image

 本来ならば、きょう8/15は伊勢原の市街地と平塚を回る日でした。ブログ棚経も最終日となりました。お盆のお飾りやお仏壇には、おふだをお供えしましょう。

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準備ができたら、お話を始めます。

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犠牲者に気持ちを捧げる

きょう8/15は終戦、もとい敗戦記念日。ネットニュースを開くと、トップの上のほうに出てくる政府広報でも、「正午に黙祷を」というメッセージを見かけるようになりました。covid19の影響でほうぼうのおてらでは、棚経やお盆の総供養がないにせよ、お墓にお参りされた方々は多かったのではないでしょうか?

広済寺のお墓は広くて、元々、地域の共同墓地的存在だった下段のエリアには、戦没者を懇ろに慰霊する大きな石塔があります。その方の経歴、どこに軍属して、なにゆえに尊い命を落とされたのかを克明に記してあるのです。

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▲漢字とカタカナで書いてあり、古文とまで行かなくとも、なんか古めかしい雰囲気です。当時の日本語感を、現在の私たちの口語と比べると、ずいぶんと違うモンだなあと思います。ともあれ、当時の大変だった様子を伝える大切な史料なのです。全部を理解することはできなくとも、気持ちや境涯に触れることができるでしょう。

お檀家さんによれば、戦地での死亡が伝わると、お戒名は建長寺から授与され、村の人々もたくさん集まって、懇ろに弔われたといいます。戦地によっては、爆死等もあり、ご遺体がないために、空っぽの骨壺さえ届いたそうです。

棚経で回っていると、軍人手帳や筆箱等、配給されて大事に使っていたであろう遺品を、お位牌や仏像と一緒に、丁寧に飾ってあります。神棚の近くには、その功績を称えた叙勲があったりします。いま、平和であるのは、お国のために犠牲になった兵隊に行ったひいやひいひいのお爺さんやお婆さんあってのこと。女性も軍需工場で働いたり、男手がない学校で先生になったり、路面電車の運転にもついたのです。当時の軍需工場での写真をお飾りするおうちもあります。

戦争のあらゆる犠牲者に少しでも、心を尽くそうというのも、お盆の役割です。是非、心をよせていただきたいと思います。お経中、許可をいただいて、カメラにおさめたこともありました。どなたも心良く応じてくださったものです。

建長寺派のご住職にも、出征経験がある方々がいらっしゃいました。おてらに平和観音や供養塔を建立された方々もあります。遷化された方々もありますが、いまのご住職がその遺徳を引き継ぎ、日々の供養を行なっています。

 

仏さんのお弁当、お小遣い、お買物

15日は仏さんが、おにぎりを持って、町にお買物を行くというので、お赤飯のおにぎりやのし袋、ひいては、故人さんへのお手紙をお供えしているおうちもみてきました。

まずはお赤飯のおにぎりから。平塚や伊勢原は、仏事ではお赤飯を振る舞う習慣があります。毎年、お盆の棚経に伺っていて、お檀家さんのエミおばちゃんちに寄ると、どういうわけか、お供えしてあるお赤飯のおにぎりを無性に食べたくなってしまうんです。我慢できないので、おばさんに断って、いただくのです。朝食もすませたばかりだし、お赤飯なんて、そんなに特別に好きなはずではないのに、このおうちだとこうなるのは、故人が私のカラダを使って食べたいのか?それとも酷暑で炎天下にお経に歩く私に、故人が「これ食って頑張れ」とエールをくれるのか?…わかりませんが、そんなこともありました。不思議な思い出です。

覗き見するようなことは憚られますが、お経をしながら、どうしても断片的に目に映りこんでしまう故人へのお手紙は、生前、一緒に過ごした思い出、亡くなる日のこと、また会いたいといった内容のように、思われました。

仏さんが住んでいるのは、時空が違うのに、どうしていまのお金が通用するの?何を買うの?買ってもどうやって持っていくの?と不思議がるお子さん。「まあそこは、そうなってるから、ボケもツッコミもなしという世界で」となります。広い、大きな気持ちでお願いしたいところです。

 お盆は15日まで?16日の午前まで?

広済寺では15日までとみなし、16日に新盆のお位牌をお焚き上げをしています。兼務する東円寺では、えんまさんの地獄の窯がしまり、こっちとむこうの行き来ができなくなると言う伝説のもと、おばさんたちの念仏がかつてあり、私もお経をあげにいき、持ち寄った漬物やお菓子でのなおらいがありました。戦後まもない頃までは、神楽囃子もあり賑やかだったそうです。

また過去に、もうひとつの兼務寺、慶徳寺分の小鍋島の棚経を16日の午前としていたのですが、

「もう仏は黄泉の世界に帰っているから意味ない」

とか

「兼務だから略式にすんのけえ」

と言うこともあり、14日午後に変更して、いまに至ります。

16日は大日堂や茶湯供養で有名な、蓑毛の寳蓮寺さんではえんまさんの祭事ですが、和尚様は、朝は県央地区の棚経を済ませてからこれに臨むと言います。お盆の最終日を16日の午前までとするか否かは、地域によって違いがでる事象のひとつです。

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以上いかがだったでしょうか。土産話のひとつにでもなれば、ブログ棚経の甲斐もあったというものです。ご高覧いただき、誠にありがとうございました。

 

ブログ棚経は、毎日のようにアップしているオンライン礼拝やオンライン講義をヒントにしました。動画だと道具を1から揃えないといけないのと、編集が大変です。見る方々もイヤフォンが必要ですが、ブログだったら、目で追うだけなので、デバイスさえあれば、どこからでも気軽に見られるから、ブログでいいんじゃない?と思いました。

異常な暑さで お客様も誰も来ません。 ありえない暑さ。〜どうげん