お施餓鬼支度
お知らせ〜今週末の土曜読経会、にちよう坐禅会は通常通りの開催です〜
梅雨の季節には、違いないのですが、朝晩はかなり涼しく、晴れると真夏日です。あのどうしようもない酷暑が忘れられません。朝は4時半には、石塔に照り出されたオレンジのあさひ。手のひらの汗で、紙は滲み、頭は思考が停滞します。安易に、冷房に頼ればあとからグッタリします。エアコンにまだお世話にならなくてすむ今のうちに、お施餓鬼の準備を先行して進めています。
6月初旬より、兼務の東円寺、慶徳寺分の塔婆から、はじめました。広済寺の分は、7月盆でお経に回る先、郵送でのご案内先、門前と3つに分かれています。お金の受け取り方法は、それぞれ、対面授受、郵便振替、当日受けとなります。以前は、これがなかなか機能しなかったのですが、みなさんのご協力で、うまくいくようになりました。いただけた時間は、お墓のそうじにあてています。
7月盆訪問先から、データをもとに、文書を作成していきます。
建長寺さんからのお知らせ、お盆のお飾りのやり方、どうげんからのお手紙、お施餓鬼のご案内・・・透明のファイルきれいにいれます。
表書きをして、裏には封緘印を押します。
塔婆は2種類あります。ほとんどが◯◯家先祖代々ですが、いろいろな供養のケースがあるので、無地のものも多めに揃えています。この対応は、他に先駆けてやってきましたね。
例えば、故人様へお子様がお供えする場合もそうです。まず1本を筆耕し、きほんに。乾くまで、違う作業をします。
こちらは、先代住職のご家族さんの塔婆です。字面を揃えるため、きほん分が乾くまで、待ちます。
乾いたら、きほんにあわせて・・・
筆耕していきます。
ほとんどが1本です。新盆さんや故人様へお供えすると複数になるので、お墓ごとに紐で結わきます。
きほんは帳面です。記録を残したり、数値化するのはキカイですが、細かい作業やエラーの発見は人間にしかできません。電子化されているからこそ、慎重になりますね。
塔婆立てにグループごとに、保管します。お施餓鬼の直前になると全てバラして、帳面上と現物の突き合わせをしています。「さすがは事務屋」「せっかく結わいたのに、なにもそこまでせんでも」さまざまな考えが本堂にこだまします。
雲水の頃、ほうぼうのおてらへお施餓鬼に荷担に参りました。お施餓鬼のお経がすんで「塔婆がない」と騒ぐお檀家さん。おてらの奥さんが三つ指をついて、謝っています。
「すぐに書きますから・・・」
「お経があがってないもんもらったって、しょうがねえじゃねえか!」
あのときに見た奥さんの大粒の涙が、いまだに忘れられないのです。玄関の床を濡らした辛い涙が・・・。
〜どうげん