新お坊さんの智恵袋

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あげごごろ&さげごころ

「あげごころより、さげごころ」といいますが、両方、必要なときがあります。
それは、お彼岸が終わったお墓です。お花は、ドライフラワーのようになります。香炉には線香の残りかす。くずかごも、ともすれば満タンです。ぐるっと、まわって、回収し、お焚き上げします。

きれいにしておくと、みんながきれいに使うようになります。くずかごがあれば、決まった場所にごみを捨ててくれます。お墓がきれいになると、お墓まいりの回数が増えます。相対的に、おてら側のそうじの量が減ります。あれはダメ!これもダメ!と看板を立てるよりも、ずっと効果的です。


 以前は、お墓や境内で平気で小水をする人がいました。たばこの吸殻をほかしても気にしない。「お花なんか、お墓にお供えするのは、もったいない。」とか、お墓の開眼供養でお米をまくと、「にんげんが食べる米なのに、ああ、もったいない」とか、言われることもなくなりました。
 犯罪の温床のようだったニューヨークの地下鉄で、当時のジュリアーニ市長は、地下鉄の落書きを消すこと、ごみを拾うことに徹しました。
「そんなことより、警備に投資すべきだ」
と意見が大半だったなか、コツコツと行なったそうです。
建長寺は、その美しさを、「建長寺の 庭を ほうきで はいたよう」
と川柳でうたわれています。洋の東西は、つまるところ一緒なのではないかと、感じています。