新お坊さんの智恵袋

どうげんが毎日発信〜きょうの広済寺・住職の予定情報をいちはやく!

線香付け〜お墓まいりの快適ツール

広済寺の墓地には線香付けが、個々のお墓から半径3mに設置してあります。

▲まず、ろうそくに火をつけます。

▲それから、缶でカバーをして、線香をくべます。いまでは、みなさんにも、このやり方に慣れていただいております。線香付けのおそうじは坐禅会のメンバーさんと一緒にやっています。


 
線香は、なかなか火がつきにくく、ついてしまうと火が回ってしまいます。ご法事や納骨などで、30人前後の方々が墓参するときに、ひやりハットをたくさんみてきました。
 元々、線香付けは、川瀬鉄工所(秦野市平沢)さんから1台戴いたものでした。川瀬さんによると、とあるおてらさんへ寄贈しようとしたのですが、「うちのおてらには、ようあわん」と却下されてしまったのだそうです。すごく使い勝手がいいので、私は気に入り、墓地のあちこちに設置しました。
 そしてお彼岸が来ます。みなさんの喜ぶ顔を想像していました。そうしたら、たまたま強風の日ばかりが続きました。
「和尚さんが入れたらしいが、風が吹くと、なんの役にもたたないじゃないか」
「まったく、檀家にことわりもなく、勝手なものを作ってからに〜」
と大ブーイング・・・。
 川瀬さんは、風向きによって、左右されないよう、台がまわるようにしたり、空気がある程度入るように、屋根部分を三角に空けたりして、工夫をこらしたのです。が、強風のときは、まるで役に立ちません。風さえなければ、全然、問題ないのに・・・。
 そこで、思いついたのが、空き缶でカバーすることでした。煎茶の缶などいろいろ試しましたが、エスビーの赤いカレー缶が大きさもちょうどいいのです。
 いまでは、すっかり定着しました。以前のように、墓地の隅で、新聞を燃やして、線香をつけるようなことがなくなりました。なによりもうれしかったこと。それは、兼務している慶徳寺、東円寺でも、「これはいい〜!」と、世話人さんが自主的に研究、改良し、線香付けをおくようになったことです。