篤姫 大団円のセリフから

　人間は、おぎゃあと裸で生まれてきます。なくなると、みんなに見送られながらも、お棺ばこに入るときは、多少の思い出の品を携えたところで、黄泉の世界まで持っていくことはできません。持っていけるのは思い出だけなのではないでしょうか。
　葬儀のとき、祭壇に白木の位牌があります。よく見ると、一番上に、「新帰元」と、書いてあります。これは、「元いたばしょへ、これから（新）、帰る」ということです。
　ことしの大河ドラマ「篤姫」。普段、連続モノのテレビは見ないのですが、江戸城を無血開城に導き、大奥の女性たちのその後までをも見届けたという結末はわかっているのだけれど、展開が面白くて、ずっと見ていました。毎回、シーンの随所にでてくる責任感の強さは圧巻でした。その最終回のセリフに、こんな言葉がありました。
「人の幸せとは、地位や名誉、財産などではなく気のおけぬ友や家族たちとともに過ごす穏やかな日々のなかにこそあるのだと思うておる。」
　この世に生を受けて、いる間に、精いっぱい、世のため、人のためになっていれば、それでいいんじゃないかな。難しいことは何もいらないじゃないかな。と最近、感じるようになりました。生きている間、見るもの、聞くもの、嗅ぐもの、味わうもの、手にするものは、しょせん、仮の姿なのではと思うようになりました。一瞬、一瞬を大事に生きたいですね。お別れのたびに、そう感じています。

本日の来山　5名　年末の墓参、おつかれさまです。
どうげんのうごき　午前：年明けの法事準備、午後：関係寺院へ弔問、部内会議、引続、法務。