自然に治水
おはようございます。
あいにくの雨ですが、台風がそれて良かったです。ここ数年、お墓と三門をやられて大損害が続いているので、ちょっとナーバスになっています。
広済寺の地形は上が山で墓地。下には、本堂と書院を囲む境内地があって尻すぼみのようになっています。全部で一千坪はあるでしょうから、日々、やりがいのある作務となります。
今回のような大雨や雨の連続だと、下に雨水が溜まるわけです。
▲坂を伝ってきた水が、
▲火燃し場に溜まります。きょうは底がうっすらと見えて森の中に浮かぶ湖のようです。秋田県の青湖みたいになったら、雨の日も楽しみですが、そうはいかないですね。でもまあそこそこきれいです。土に水が浸透していきます。もしもコンクリートだったら、溜まってあふれだす一方です。
台風に備えて、先日、浚渫したコンポスト・マンホール。
▲生ごみ堆肥を抜いといてよかったです。
▲ここも泥への浸透式。容量があまりないのですが、雨水を呑みこんでくれます。常時、雨水や夜露が上からの泥と一緒に、コンポスト・マンホールに落ちるので、生ごみと混ざって発酵を促されていきます。蓋で密閉するので、真っ暗なのも発酵にはいいみたいです。良質な堆肥を自然の力でつくってくれるんです。
本堂の前から表参道はこんな感じです。
▲ここも砂利なので、水を呑んでくれています。
地肌がかなりの量の雨水を、境内で呑んでいるってことです。赴任したばかりの時、「おてらなんか全部、通路と排水溝をコンクリでうっちめえ!」と真顔で言うお世話人さんがいました。毎日、ここにいるわけではないから、何が事実か、起きていることにどう対処していいかはわからないけど、じぶんの家なりムラでこうやったから、同じようにしたかったのでしょうね。
もし、コンクリ化したら莫大な量の雨水が全て公道や田んぼに垂れ流しになります。私は、自然の治水能力を訴え、コンクリ化に反対したのです。もう20年前のことです。
まだまだ、坊さんなんかよそに働きにいけ。と言われた時代でした。居ててすぐわかること、考えること、なおすこと。いっぱいあります。おてらは、オツさんがいないと、どんどん荒れてしまうんです。
いるのはあたりまえ。手を掛けて維持していくのが 私のしごと〜どうげん