新お坊さんの智恵袋

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ビー玉でビオトープ〜睡蓮鉢の巻

ご朱印受けのお客様へ

広済寺のご朱印受けは全て予約制です。事前にご連絡の上でのご来山をお願い申し上げます。明日11/11は実家への墓参等、おてらを出たり入ったりしています。

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たぬきの学校に置いた六角形は夢殿。往時の厚木キャンパスにあったウェスレーチャペルの見立てです。手前は学生たちのバス乗り場。一時、神奈中バスのカンカンを置いたものの、いかにもそのまんま過ぎたことと、野ざらしのためすぐに陽に焼けてしまうので全部廃車となりました。夏になる前に、涼しさを感じられるモノとして睡蓮鉢を置きました。でも、いまひとつパッ!とするものがなかったので、魔改造となりました。こちらが設計図。

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▲まず、泥を半分以上にし、全体のかさ上げをします。水質浄化のために睡蓮の根っことオモダカを植え込みました。

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▲この状態で一晩置き、水と泥の分離を狙います。

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▲翌日、購買会からマグカップが到着したので、半円状のトンネルのような感じで埋め込みます。内側にはテーブルコショーの瓶を入れて、メダカの寝床にします。ふつうビオトープには砂や赤玉土鹿沼土を表面に入れるのですが、ビー玉でやってみることにしました。泥の表面にまんべんなくビー玉を落としていきます。あとから、さらに魔改造を施す時、赤玉土等だと泥と混ざって分離が厄介になります。ビー玉ならば泥から抜き取るだけなのでラクだからです。

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▲翌日。なかなか水がきれいにならないので布袋草を入れます。他のビオトープでタニシや小エビを見つけては、ここに移し水の掃除屋さんとして働いてもらいます。

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▲マグカップについた泥を見ると、タニシが這った跡がわかります。わずかですが、水がきれいになっています。

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▲次の日。メダカが泳ぎまわるのでマグカップにはうっすらと水中の泥が積もります。水を注ぎながら泥を落としていきます。

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▲けさの状態。6日近くかかりましたが、水の中のオブジェがはっきりと見えてきました。陶器のカケラは、漢詩の一節、地元伊勢原にあった萩原醤油店の盃、昭和初期の器。レトロなので生かしてみました。17世の渓山和尚さまが久留米の出身だったので、有田や伊万里と思しきかわらけも、作務中によく遭遇するんです。

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▲中央の花器は、お墓でほかされていたもの。欠けているけど、その部分が行き来できる空間になるのでメダカの遊び場になっています。花器の左上、11時の方向にあるのは、古い庫裏を解体したときの水道管の残骸。指一本分は入る口径なので、メダカの寝床にはじゅうぶんなもの。うっすら泥が覆い、ビー玉が囲めば、ガラクタだとは気づかれません。

水が透明になるまで約6日。ここには自然の生態系があるので、メダカのエサは一切いらないんです。藻や昆虫の死骸、バクテリアを食して、スクスクと育っています。

 

10月の台風到来の前日、たぬきの学校を見に、経営学部の卒業生さんが2人で来られました。おふたりとも40 前後で、ITを駆使したしごとをやっている社長さんでした。京都まで東海道五拾三次を自転車で行くのが趣味。でも帰りは新幹線を使うという破天荒ぶり。時間泥棒になるからと「顔栞」と「線」は敢えて使わないと言います。個性的で、実質を優先する行動感覚は、私とそっくりで、頼もしく思いました。

噴水の感じ、B館の感じ、山側の校舎をおおう森の感じ、G館の感じ。。。。。に見入っていらっしゃいました。小一時間ほど茶礼をし、あの日の思い出が今回の魔改造をやる動機になりました。

いまはここにはない、懐かしいところがいいのでしょう。じぶんの学び舎だからといって、例えば、建長寺や青山キャンパスをつくったとしても意味がないと思います。

南禅寺に溶けこむ疎水のアーチ 相国寺に隣りあう同志社 あの自然な感じを出そうと考えています。〜どうげん