新お坊さんの智恵袋

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令和のれいをどっちで書くか?

こんにちは。きょうはお釈迦さまの生誕を祝う降誕会花まつりです。広済寺でも玄関に小さな誕生仏をお飾りしておりますので、甘茶を掛けて差し上げてください。雨のためきょうは中仕事です。ご朱印受けのお客様はご予約の上でのご来山をお願い申し上げます。なお14日のにちよう坐禅会は作業のためおやすみです。境内にあるガラを墓地のてっぺんへ移動させ築山の工事になりますので、お時間をいただきたくご協力ください。

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▲新しい元号が決まって、よかったです。響きも意味も素晴らしいと思いました。迷なことも出てきました。れいの字が活字体と筆記体で異なるのです。菅さんが発表なさったときは左のような活字体にならったカタチだったので、こちらで筆耕しようと思っていたのですが、漢和辞典をみると筆順の方は右のような日常的に慣れたほうになっているのです。れいの字を含むものは、例えば玲子さんの玲、鈴木さんの鈴。鈴木家さんの先祖位牌や墓石の刻みを見てみると、れいの部分は書き慣れた筆順の方をとっていました。

これ、結構深い問題で、信仰の対象に刻むとなると、見解が分かれてくると思います。

小学校へ学用品や教材の販売をしているカッツノさんによると、「鈴木さんというゴム印を作る際、活字体でなく筆記体で指定する方もある」とのことでした。

広済寺でも塔婆の裏側を、新元号にするので新しい版下をつくることになります。ご朱印帳への表記もどっちで行くか。当面は筆順で書かれている使い慣れたほうで行くことに決めました!

 

戦後まもなくGHQ支配下になるまで、日本語の表記はいまよりもずっと多くて豊かだったようです。日本語のローマ字化、ひいては英語化に対抗するため、「あくまで当座の生活に必要なものなので、これくらいの日本語は残してね」という方便だったのが当用漢字です。もし、GHQの思惑通りになったら、モンゴルがロシアのアルファベット・キリル文字を使うのと同じことになっていたかもしれませんね。当用漢字が設定されたときにひらがなも50音に減らされ、漢字も一つの文字について一つか数種の書き方にするよう、調整されたのです。

僧堂では「供養」の養を上下分離して横に書いたり、「大船」の舟の右がムだったり、「松」を分解して書いたり、「学校で習ってたのとはずいぶん違うな。こんな書き方もあるのかなあ」と不思議に思っていましたが、その名残なのですね。最近になって知るようになりました。

 

ことばには 敏感。 仕事柄。〜どうげん