新お坊さんの智恵袋

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回向帳なおしが教えてくれたこと

今月は回向帳改訂を進めています。おかげさまで、あらかたの書き直しは完了しております。実際に使いながら、修正する箇所がないかの確認作業に入っています。朝のお勤めは朝課と呼ばれます。その中で歴代の住職に捧げる回向があります。15代・龍泉珍和尚さまのことをお話ししたいと思います。
もう13年くらいも前のこと。法務で平塚へ随行する機会がありました。当日の御埋葬だったのでお墓に行き、お勤めしたのですが、そこには、歴代和尚さまの墓地がありました。ふと見ると、「龍泉珍 下平間に移住」と刻印がありました。もう一度確かめておきたいと思いながら、ずっと行けなかったのです。
回向帳を書き直しながら、この際だから思い切って、訪ねてみました。周辺はずいぶん新しい家が建ち、墓地もすっかり整備されていました。むかしの記憶をたどりながら、なんとか到着しました。

久しぶりに出会った墓誌です。

龍泉珍和尚さまは明治25年に平塚から広済寺へ移られて、明治38年にご遷化。ということは新政府、富国強兵の頃です。ここにはかつて東光寺がありました。やがて廃寺となり、現在は墓地だけとなっています。大変な時代を生きた方だったと思います。記録を残してくださった妙楽寺の先代和尚さまに感謝するばかりです。

広済寺にきて16年。長い間、お守りすると、いろんなご縁ができて、いろんなことがわかってくるものです。これからもおてらの歴史を伝えていきたいと思います。〜どうげん