新お坊さんの智恵袋

どうげんが毎日発信〜きょうの広済寺・住職の予定情報をいちはやく!

炊事のきほん〜ごはんとみそ汁

★おしらせ★
広済寺では毎週日曜日、朝8時半〜9時20分までにちよう坐禅会を開催しております。明日7日は通常通り行ないます。集合は8時15分。玄関よりお入りいただき、本堂の受付でご記帳ください。冥加金は500円です。開始は8時30分。お経は般若心経・消災呪・本尊回向、大悲呪を読みます。坐禅は2回行ないます。しっかり坐りましょう。
最後にお抹茶で茶礼となります。
Reguler ”Nichiyo"Zazen-Kai at kosaiji temple is taken place every Sunday 8:30 a.m to 9:20 a.m. Tomorrow Next class will be held on normal operation. Let's Try to Zazen and Feel Japanese Zen culture with beautiful nature at KOSAIJI. 
8:15 Gather at Hondo. Resistration. Fee 500 yen.
8:30 Recite Sutra(Okyo)
Zazen 2 sets. Concentrate to make Zazen posture. We also have a little tea party with 'Maccha' green tea.

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きのう建長寺での会議のあと、稲村ケ崎からの江の島はとてもきれいでした。江の島の左方向に大きな船が見えました。稲村から見えたときにすでに大きいということは、戦艦だったのかなとも想像しました。夕日に映えるさざなみも、秋の色。134号線は大きな渋滞はなかったのですが、道のりは遠いので、夕飯づくりはおやすみ。行きつけの洋食屋さんに出かけました。


 秋といえばさんま。洋食屋さんのメニューにも早々と登場していました。大将さんがつくったものは、さんまがおいしいのはもちろんのこと、冬瓜の煮つけに大根おろしを添えておなかにやさしい味でした。秋はお米がおいしく感じる季節でもあります。

 もう10年も前になるのですが、いろんな方におてらのまかないに入っていただいた時期がありました。いまはレギュラーメンバーは3名です。3名に絞ったのです。3名に共通していることはめし炊きができることです。めし炊きができるということは、「ものごとをきっちりやりとおせる」という一定の判断基準になるのです。 それは
・目の前にある食材から、作れるものを逆算できるか〜創意工夫。
・洗い物をきちんと洗えるか。片付けながら献立をつくれるか〜清潔感覚。
・ほぼ万人においしいといわれるものをつくれるか〜協調性。
・出したものを定位置に戻したり、制限時間内に行程の配分ができるか〜空間認知力。
・同じ材料を使っても、順番を違えると別のものになってしまうことを理解できるか〜素直さ、繊細さ。
…など典座番を担当していただくことで、手先の器用さや日頃の生活をうかがうことができます。

さて。いまの若い方は、お米のとぎ方がわからない・・・?!!「たまたま、じぶんが出会った方がそうだっただけだ」と願いたいものなのですが、自炊ができない方が少なくないのです。お米をとがせると、しゃもじをとりだし、釜の中をぐるぐるとまわしています。
「君は、なにをしているの」
「といでいるんです」
きけば、いつも無洗米だからこういう動作を繰り返しているのだといいます。
もうひとりの方は、お米をざるにあけ、ごしごしと始めました。
「あああ^^^^なんてことするの?お米の角がとれちゃうじゃないか・・・」
私のような、何もできなかった愚鈍な人間に、めしたきまで仕込んでくださった僧堂は大変にありがたい場所だったと感謝しています。お坊さんとはお経をよむものというイメージが強いのか、外でそうじをしたり、めしたきをしていると、「和尚さんがそんなことするなんて、意外ね」といわれます。私たちが住職になるためには4年制大学卒業の者でも3〜4年、専門道場での修行を積むことになります。いろんな宗派さんの方とお話をしますが、かなり厳しい部類に入ると思います。その間に、典座(てんぞ)と呼ばれる料理番がまわってくるのです。臨済のお坊さんが食べ物へのこだわりがでてくるのも当然なのです。マイ包丁を持っている和尚さんも結構いらっしゃいます。

ふつうのご家庭で2、3人分のごはんを準備するのはカンタンです。今回は3合としましょうか。1升くらいだと、「ぐいっ。ぐいっ!」と手首をひねって、とぐものですが、しんどいと思うので、もっとカンタンな方法でやってみましょう。

お釜にお米を入れ、水を注いだら・・・

こんな感じで、

アイアン・クローのような動きをすればいいのです。

だいたい1合あたり25回。3合ならば75回やればOKです。白いお水は捨て、目盛りの分量だけ水をたしておきます。といだお米は、最低20分。できれば2時間くらい寝かしておくと、ふっくらとおししく炊けます。まもなく新米がやってきますが、新米なら水加減を若干、少なめにします。
広済寺で使っているお米は、ほとんどが伊勢原産のものです。門前のお檀家さんが田んぼで丹精込めてつくったおししいお米。農協さんでは阿夫利清流米という銘柄で販売されています。とてもおいしく人気があるので、たちまち品薄になってしまいます。すると、給油でお世話になっている秦野の宇山さんで魚沼産を求めています。混入や産地偽装が多い中、お米は信頼できるところで購入しています。

広済寺では、スティックに入ったおだしは使いません。だしは元からとりましょう。スティックの人工的なものでは、絶対にできない、いい味がします。水を張って、どんこと昆布を入れておくだけ。みそ汁のだしやおかずの味付けやすき焼の割り下などに、いつでも使えます。常備しておきましょう。

お味噌は腸が喜ぶ食べもののひとつです。農協さんで販売している手作りのものが、手ごろな価格で、かつ栄養価が高いのでおすすめです。胃腸の具合がいまいちなときは、薬は飲まず、お味噌をそのまま食しています。素材はいいものを意識して選びましょう。チューブに入っているようなインスタント仕様のものでなく、味噌の麹が生きているものを選んでください。

白いごはんとみそ汁。炊事のきほんです。穀物と肉と魚は少なめに。野菜はたっぷり。味噌・醤油・納豆・ヨーグルトなど腸が喜ぶものを摂取します。健康で、規則正しい生活は、食から始まります。食のきほんができないと
肥満になる→運動しない→しごとしない→身の回りをそうじしない→お部屋が汚部屋になる→風呂に入らなくなる→体型に無頓着になる→娑婆の流行や身だしなみやおしゃれはどうでもよくなる→ひとと接したくなくなってしまう・・・・・・→
→自滅の道が待っている。となります。