新お坊さんの智恵袋

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法要の打合せ書〜ゲラ完成!

 お檀家のみなさまにとって、仏事をつつがなく厳修することはとても大切なことです。広済寺では、葬儀、法要ともに、お打合せを書面を通じて行なっています。

 本家さんのようにご家族で、彼岸、盆、年末年始の墓参、法要など欠かさぬ方もあれば、新宅さんで都市部へお住まいになられていると、海外出張や単身赴任などで墓参すらままならない方もあります。「全く初めての方でも、わかるものを!」と考え作りました。
 広済寺の場合、まだ10年くらい前までは、まだまだご自宅で仏事を行なうことが多かったのです。伊勢原にはまだホールさんが少なかったので、まちのコミュニティセンターを使っていた時期がありました。それがだんだん、平塚や秦野のように、葬儀はホールさんで、法要はおてらでと流れが変わりました。
 こんな状態でしたから、わたくしが客殿造営の必要性を投げかけても、「どうしてお坊さんのための御殿を作るのか?」とか「私たちは住宅ローンを組んで家を建てるのに、おまえは寄付で建てて、家賃はただで住むのか!」という貴重なご意見を頂戴した時期でした。
 でも。。。おてらに客殿があれば、待合からお経、食事までワンストップでできますから、今となっては、ありがたいこととお悟りになられたと思います。やったことのないものに挑戦するパイオニアは、どの世界でも大変なのですね〜。
 実はこの「ご法要の打合せ書」は、広済寺がまだ本堂に借家のような家がくっついていたような頃から、すでに、「客殿が完成することを前提」の上で、基準づくりをすすめてきたものなのです。
お供えものはどうしたらよいのか。
必ず、黒、数珠で来ましょう。
お位牌や写真は、丁寧に風呂敷でお包みしましょう。
開始と終わりの時間を守りましょう。・・・などわかりやすく書いてあります。空欄やチェックボックスを埋めるだけで、ご法要の準備ができます。
 10年前、ご自宅で行われていたものをおてらで行うこと。これは、個々人によって、バラバラだった事象を整理する作業でしたが、あらかた完成形になったと自負しています。手引き書は現実に合わせていくことが大切ですから、今後はこれを基本に進化していくことになるでしょう。多くの方が、キカイや便利なものを手にすると、それに満足してしまいます。現実には「日々変化しているもの」「たまに検証すべきもの」と、考えたほうがいいのです。

 従来はエクセルで作成してきましたが、利用頻度の高い法要編から、順次、印刷したものに切り替えることにしました。不足するたびに印刷しなければならないので、カートリッジや用紙を相当使います。印刷中は他のことがPC上でできませんし、刷り上がったものをとじるのも、一仕事。そんな単純作業のためだけに、スタッフの時間が奪われるのももったいないですね。プリンターで印刷したものは夏場は汗で滲みます。
 諸々のコストパフォーマンスを考えたとき。。。初期投資はかかりますが、長期的にはコストが逓減していきます。手にした方からは「よかった」「わかりやすい」「助かった!」とよい波及効果が生まれます。「ここだけしかできないオリジナル」ができます。世でいう「ブランド」とはそんな小さなことが出発点なのではないでしょうか。
 原稿を印刷やさんに持ち込んだのが6月の終わりくらい。その後、何度か横浜と伊勢原を往復して、きのう工場で最終校正が完了。お檀家のみなさまへの運用開始は10月頃の予定です。「わ〜きれい」「わかりやすい!」みなさんの笑顔が浮かびます。  

人間は経済的判断で動いています〜どうげん