新お坊さんの智恵袋

どうげんが毎日発信〜きょうの広済寺・住職の予定情報をいちはやく!

塔婆のかきかた

2017.2.05の日記にも、取り上げていますので、よろしかったら、覗いてみてください。

2017.2.27 付記 どうげん

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「どうしたら、こんなにきれいにキチっと揃って書けるの?」と塔婆について、よく尋ねられることがあります。
こんな順序で書いています。
▲まずはがきから。広済寺では塔婆のお申し込みを受けると確認のはがきを送ります。(写真の左がそれ!)お戒名と年回忌を入れるだけになっています。先に片面を書き、乾くのを待ちます。
いまの人は筆で書くことがなかなかありません。筆の訓練にもなりますから、スタッフがいるときは、はがきの筆耕を任せることもあります。

▲太い筆は塔婆専用筆です。毛筆用は木の上だと、筆の動きがいまひとつなので、こちらを使います。細い筆はラファエルの水彩筆です。はがき用に使っています。ふつうの画材屋さんにはおいていないので、鎌倉の文海堂さんで購入しています。結構、いい値段ですが腰が強く長持ちします。墨は10年くらいまえは摺っていましたが、いい墨ほど黒が出ないことや、せっかく摺っても水と墨が分離してしまうので、いまは塔婆用の墨汁を使っています。

▲法事の塔婆は、あらかじめじぶんの字で版を取り、プレ印字してあります。指を切らないようカドは面取りしてあります。きょうは13本書きます。

▲まず1本。表をキメます!

▲残りの12本は、裏面の年と月を書いていきます。

▲このまま乾くのを待ちます。

▲はがきが乾きました。裏返して宛名面を書きます。

▲塔婆が乾くまでは他のしごとです。きょうはエクセルで県仏青の行事あんないの作成です。
平塚西郵便局まで行って発送まで済ませること1時間半が経過。さぁ再開です!

▲一本ギメした塔婆を基準にして

▲字を揃えて書いていきます▼


▲書き上がったものは、申込書のなまえ欄にチェックを入れ順番に並べていきます。

▲「おっ!なかなか圧巻ですなぁ」お手本にしていた1本めは裏書がまだですから、年と月を入れます。
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▲申込書と照合して完成です。
できあがりましたが、これからしばらくは、表が乾くまでの時間があります。じめじめした日や寒い日は乾きに時間がかかります。書きながら、お客様があったりするので、やはり1日仕事となりますね。

わたしの字はみなさんから「隷書みたい〜」と言われます。どなたかについて習った字ではないのですが、自然といまのような字になりました。なにはともあれ。塔婆の文字がきれいにキチっとしていたワケがおわかりいただけましたでしょうか? どうげん